22歳の“ハッピーにエコる”活動家「村田美穂」さんが発信する #ハピエコ講座とは。

カナダの大学に進学し環境学を専攻。現在は日本に帰国し「ハッピーにエコる環境講座(ハピエコ)」を展開しているハピエコ活動家の村田美穂(Miho Murata)さんに活動内容と海外でのヴィーガンライフの新常識を伺いました。

ハピエコ活動家「村田美穂(Miho Murata)さん」

村田美穂(Miho Murata)さん自身について教えてください。

小学校低学年の時に、「偉人たちの伝記」マザーテレサ物語を読んだことをきっかけに世界で起きている問題について関心を持つようになりました。当時は、生まれた場所や生まれた時が少し違うだけで紛争に巻き込まれたり、全く違う人生を歩むことになってしまう。世界がこの時代になってもこのようなことが存在していること、そしてマザーテレサのように実際に行動に移している人は少ないということを知り、とてもショックを受けました。

「今のこの世界をなんとかして変えたい。」という思いが成長するにつれて強くなったのですが、具体的にどうしたらいいのかがこの当時は分からず、まずは大学で勉強をしようと思い、行きたかった日本のある大学を滑り止めなしで受験。実は高校まで英語が大の苦手だったのもあり、結果は不合格。その後浪人せず「同じような分野を英語で勉強した方が社会課題解決の近道になりそうだ」と思い、思い切ってカナダの大学へ進学しました。

大学の前に、カナダの首都・オタワにある語学学校で英語を半年間学びました。そしてある時、授業のトピックとして環境問題のことが扱われ、そこで初めて深刻さを知ったんです。日本ではほとんど報道されていないことへの衝撃と、実は貧困問題など他の社会課題と環境問題は全部つながっていて、結局先進国と呼ばれる私たちの日々の小さな行動が根っこの原因にあるということを知りました。

でも、わたしたちの生活が「原因」になってしまっているのは、多くの日本人が「問題」と「自分とのつながり」をまだ知らないだけだ、と思いました。ただ知らないだけ。知ったらわたしたちは、「原因」から「解決策」になることができるのではないか、そしてもっと多くの人が知ったら環境問題や貧困問題は解決に大きく向かうのでは?と思ったんです。

そして、自分にできることから始めていった結果、自分の生活スタイルを見直すところからイベント主催など、自分で出来る範囲が広がっていき今の「ハピエコ講座」という講演活動に至ります。

海外へ行ってみて考えさせられたこと、今の行動につながるきっかけはありましたか。

日本語と英語との情報格差について考えさせられることが多かったです。

語学学校で一つのお題についてディスカッションをする授業があったのですが、その時に「スウェーデンの環境活動家 グレタ・トゥンベリさん」について話題が上がりました。当時、日本ではまだほとんど知られていなかったのに、海外では既に著名人。

そして環境問題の活動を特にしていない人でも、地球の現状や自分の生活との繋がりを基礎知識として知っていて、クラス内や家庭、カフェなどの日常会話で議論をしている光景を目の当たりにしました。社会課題や政治を日本より身近に感じている人が多いのと、多様な文化、宗教、食の在り方の違いへの受け入れが高いためか、今この社会で何が起こっているのかを地球規模で多角的に報道しているという点が印象的でした。

ただ「報道されない」「知らない」だけで、自分や周り、そして地球にとって優しい選択肢が見えていないのは、あまりにももったいない。「たまたま早いタイミングで知れたからこそ、日本のみんなにもシェアしていこう」と思うようになり、まずは日本ではほとんど報道されていない世界のニュースや貧困・環境問題の情報を、インスタグラムのストーリーズで発信し始めました。

ハッピーにエコる環境講座(ハピエコ活動)とは。

「ハッピーにエコる環境講座」こと「ハピエコ講座」は、2021年5月から始め、今では平均月10回ほど全国やオンラインで講演をしています。カナダに行って、【日本語と英語の情報格差】と【社会課題を自分事化できることの重要さ】を痛感しました。ハピエコ講座ではこの経験を生かし、

①気候変動(世界で大きく報道されているが日本ではほとんニュースになっていない、地球で起きている事実)

②気候変動の原因と解決策(自分の生活にどれくらい繋がっているのか;日々の生活のどんな行動が原因になっていてどんな選択ができるのか)

③「ハッピーにエコる」とは

という内容で話しています。①②ではクイズや笑いを交えながら、気候変動の原因である「食」「エネルギー」「プラスチック」や「ファストファッション」などの大量生産・大量消費の「経済の在り方」、そして自分の健康、感染症、将来の生活、四季、職業などとどう繋がっているのかを、主に話しています。

現状やその原因を少しでも知るだけで、日々の選択肢の幅が広がるということを、講座内で参加者の皆さんに実体験してもらっています。そして、ハピエコ講座を通して広がった選択肢の中で、「自分が心地いいと感じる選択=ハッピーだと感じる選択」をしてほしいと伝えています。

購入する物の裏側にあるストーリーや、メリットとデメリットの両面を知った上で、自分の心がハッピーだと感じる選択をすること。それが、「ハッピーにエコる」という意味です。

だから、0か100かではないし、自分のハッピーを無視してまで無理矢理完璧を求めようと動かなくていいんです。自分に完璧を求めてしまったら、そもそも自分が苦しくて続かないし、その状態を少しでも周りが見たら、「環境問題に関わるならやっぱり完璧にやらないといけないんだ」という0か100かのイメージが一層付き、「環境アクションへのハードル」がより高くなってしまう。

そして気軽にエコアクションをしてみようとする人が減ることにつながります。わたしは、「100」完璧にできる人を5人増やすより、「5」や「60」できる人を1000人、1万人、10万人、と増やしたいです。その方が、ハッピーに生きる人も増えるし環境問題を解決する一番の近道だと信じているから。

(ハピエコ講座の他にSDGs企業研修もしています。どちらも全国とオンラインで実施)

ハピエコ講座の他、自身のSNSなどでは、「~ねばならない」などの強制感や0か100かの考えではなく、ハッピーを軸に自分にも地球にも優しい選択が日々できるような情報やプチアクションを発信しています。普段使っているモノや食べ物の裏側にあるストーリーをもっと多くの人が知ることができる機会をつくり、それを知ってから消費行動をとる。そんな経済文化をつくりたいです。ハピエコ講座は、このビジョンの実現のための一つの大きな手段という立ち位置ですね。

つい先日、一緒にやっていく仲間が増えたり法人化する動きになったりと、前へ進んでいっている感覚はあるので、ハピエコ講座もSNS等のメディアも強化して、「ハッピーにエコる」という言葉自体と概念を日本にどんどん広めていこうと思います!

海外生活において、日本のこれほんと?を聞かれて驚いたことはありますか。

スーパーマーケットに並ぶ果物や野菜についてです。

海外のスーパーマーケットでは、食材が直に積まれていることが多く、プラスチックに包装されていることはほとんどありません。特に、大学の友達から「バナナって皮をむいて食べるのになんでわざわざプラスチックで包んでいるの?」と聞かれたときに、わたしもはっきりとした理由が分からなくて、友達の質問に答えられなかった経験があります(笑)その他にも、食やモノの捉え方についてカナダに行ってから気づかされたことが多数あります。

例えば、夕方スーパーやお店を訪れると、だいたい商品棚はガラガラ、品切れであることが多いんです。それに対してカナダの消費者は文句も言わず残っている商品を手にする。「食べ物は有限であり、無限に出てくるものではない」という考えがカナダの人たちの意識の根底にあるように思いました。

商品が売り切れていてもクレームが入らないから、スーパー側も余分に食材を取り寄せることがなくなる。そして食品ロスも減る。食品ロスの処理にかかる税金もかなり抑えられる。

消費者の価値観と行動によって、スーパーの中身も在り方も、食のシステムも変えられるんだなと気づくことができました。

Photo by Instagram (miho_112murata

反対に、日本人にとっての「当たり前」が他国から評価されていることもあります。日本では自分たちが出したごみを持ち帰ったり、掃除したりすることがマナーですが、他国ではそれが当たり前でないんです。というか、「”あえて”ごみ拾いや掃除をしない」という選択をする人たちもいます。

彼らの考えとしては、「学校、施設、道路にも『仕事』として掃除をしている方たちがいるから、自主的なごみ拾いや掃除は清掃業者の仕事を奪っている」ということ。

こう見てみると、本当に様々な考えがあって、一概に「これが絶対正解・素晴らしい」とは言い切れないですよね。でも、“自主的なごみ拾い文化”がある日本は、“地球に優しい習慣”を既に持っている、素敵で貴重な国だと誇りをもって良いと思います。

カナダでは、ヴィーガンという言葉は一般的に使われていますか。

「ヴィーガン」という言葉も概念も、日本よりかなり認知度が高いなと感じました。

スーパーマーケットの牛乳のコーナーでは、半分ほどが植物性のミルクで占められていますし、ヴィーガンチーズやヴィーガンバター、ヴィーガンの冷凍食品も豊富にあります。

カナダではヴィーガンの人口がかなり多いので、ほとんどのレストランでは、一つ以上はヴィーガンのメニューがあるのが一般的です。分かりやすいように、ヴィーガンまたはベジタリアンマークがメニュー横に表示されていますね!お客さんのヴィーガンへの需要が高いから、お店側も食の種類を充実させているのだと思います。

やっぱり消費者次第でスーパーの中身やレストランのメニューは変えられるのだなとバンクーバーにいて実感しました。

カナダで食べたヴィーガンラーメン

カナダで食べたヴィーガンバーガー

ちなみにカナダは健康志向の人が多いので、フライドポテトにはジャガイモではなく栄養素が高いさつまいもが使われることが多いです。カロリーは同じくらいかと思うのですが(笑)

また、カナダは文化や宗教が全く異なる人たちが住んでいる国なので、「ヴィーガン」だけでなく、「ハラール」など、様々な食のスタイルが受け入れられています。

スーパーで商品を選ぶときにすぐ判別できるような、それぞれの認証マークが見やすいところに付いているので、どんな食のスタイルを選択している人でもかなり生活しやすい環境なのではないかと思います。

美穂さんの夢はありますか。

「“人と地球がもっとハッピーになる世界”をつくり続けること」が、人生を通してやりたいことです。

そのために、「ハッピーにエコる」という概念を文化レベルまで落とし込んでいくことが、実現への一番の近道だと思っています。「ハッピーにエコる」とは、前述したように「現状と自分との繋がりを知った上でハッピーな選択をする」ことなのですが、これをもう少し抽象化させて、「日々の小さな選択(毎日3万5000回選択をしていると言われています)において、自分の心の声を聴いてハッピーだと感じる方を選ぶ」ことも「ハッピーにエコる」の意味の一部としています。

なぜ「ハッピーにエコる」を人々の文化になるくらいまで広めていきたいかというと、そうすることで、様々な社会課題の根本的な原因にアプローチできるからです。

わたしは、社会課題が起こる真の原因は、一人ひとりの心にあると思っています。自分の心の声より社会や周りの声を聞くことを優先して、「自分はどんなときに心が躍るのか」「なんで今自分の心はざわついているのか」など自分の心に向き合っていない人があまりにも多いなと感じています。周りや社会の一つの物差しで“自分”を評価したり意思決定をしたりしていると、どうしても心に余裕がなくなってきてしまいます。自分の心と対話ができなかったら、周りの人との心の対話も厳しくなるだろうし、ましてや地球のことやモノの裏側にある物語に目を向けることはかなり難しい。だから、まずは自分の心の声を聴いてあげること。それが一番の社会貢献であり、誰もができる「優しさが循環する世界」への大きな第一歩だと思っています。

もし、毎日の3万5000回の意思決定が「社会的にこっちがいいとされているから」や「周りがそうだから」ではなくて、「こっちを選択する方が自分の心がハッピーだから・ワクワクするから」という人が増えたら…そう考えるだけでワクワクします。この世界にきっともっと沢山の笑顔が溢れる。自分たちの今の選択次第で、人も地球ももっとハッピーになれる世界が創れる。これからも、ハピエコの活動でそれが実現できるように、全力で楽しみながらチームで前に進んでいきたいと思います!

【お問い合わせ】ハッピーにエコる環境講座(ハピエコ)について

■Instagram
https://www.instagram.com/miho_112murata/

■一般向けハピエコ講座
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfc85Gb8Y-wXvw-59TldNdMTQ52M-n5FWVYSfAoG3tJb7E2tA/viewform

■企業内研修用SDGs講演
https://form.run/@happy-ecoru-1623781804

画像:村田さん
構成・テキスト:服部めぐみ

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