ヴィーガンの栄養学~栄養失調にならないために~

ヴィーガン男子のYumaです。

今回は「ヴィーガンの為の栄養学」、健やかにヴィーガンライフを送り続けるためにおさえておきたい栄養のお話をお届けします。

栄養学とは

まずは、栄養学という言葉のそもそもの意味合いについてみていきます。

栄養学は、僕たちが普段口にするご飯の中に含まれている成分(栄養素)が、体内でどのように消化、吸収され、利用されて、どんな影響を及ぼすのかを研究する学問です。

これにより、食事と健康の関係性、食事と病気の関連性が分かるようになり、食生活の改善による健康の維持、病気の予防や回復に繋がります。

栄養素の欠乏

栄養素の欠乏とは、必要なエネルギーや栄養素が体内にない、不足している状態を指します。こうした欠乏状態が起こると、体内で必要な循環が行えず、次第に症状として表面化してくる場合があります。

例えばタンパク質不足による貧血や過痩身、免疫能力の低下などが代表的な例です。

ここで気を付けていただきたいポイントは、見た目や体感と実際の健康状態は必ずしも比例の関係にないことです。

クワシオルコルという言葉を聞いたことがありますか?クワシオルコルとは、エネルギーは過剰に足りているにもかかわらず、タンパク質が欠乏している状態のことで、大きく張ったお腹が特徴です。

つまり特定の栄養素が欠乏しているにもかかわらず体型的には肥満(太って見える)という現象はあり得るという事です。

このような方がダイエットをする場合は、炭水化物の量を見直す(食べる量を減らす)だけではなく、タンパク質を多く摂取する(いつもより食べる)ことで痩せるというケースもあるのです。

ちなみにエネルギー、タンパク質共に不足している状態をPEMマラスムスといいます。

三大栄養素の基礎知識

ここまで食事と健康の密接な関わりを説明してきましたが、では実際、日々の食事で必要十分な栄養を摂取する為に、そして栄養の欠乏や失調を防ぐためにはどの様なことに気を付ければよいのでしょうか。

次の項目ではまず、各栄養素の特徴や体内での働き、欠乏した場合の症状等を詳しく見ていきます。

タンパク質

内臓、筋肉、皮膚、髪や爪など全身(人体の構成成分)の主原料となる栄養素です。さらに、エネルギー(糖質や脂質)が不足している場合に、それらの代わりにエネルギー源として体内で働く事もできます。

タンパク質の欠乏は、体重や体脂肪、骨格筋の減少に加えて、発育の遅延を招く恐れがあります。先に挙げたクワシオルコルの症状を引き起こす原因もタンパク質の不足に起因します。

脂質

糖質の倍以上のエネルギーをもち、細胞膜やホルモンの材料となる栄養素です。

脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを有しており、1gあたり4kcalほどのエネルギーを持つタンパク質や糖質の倍以上のエネルギーがあります。さらに脂質には4つの種類があり、食品に含まれる多くの脂質は中性脂肪です。

中性脂肪は主にエネルギー源として働きますが、糖質や、さらにはタンパク質でさえも不足した時にはエネルギー源として働くことができる栄養素です。加えて脂質のエネルギーは他の栄養素の倍以上。

つまり、4つある脂質のうち、中性脂肪(食品に多く含まれる脂質)の必要量は多くないという事です。

医療やフィットネスの世界から「質のいい脂質の重要性」が叫ばれる一方で「脂質カット、低脂肪」を謳う商品がスーパーの陳列棚を占めているのにはこのような理由があるのです。

脂質の欠乏は、エネルギー不足による倦怠感や疲労感の他に、ビタミンの欠乏を招く恐れがあります。ビタミンの中にはビタミンD、A、K、Eのような脂溶性のものがあり、これらの栄養素は脂質と共に体内に吸収されます。

その為、脂質が不足すると必然的に一部のビタミンも不足してしまう可能性があります。

糖質(炭水化物)

糖質と食物繊維の総称を炭水化物と言います。食品の成分表示にも炭水化物○○g(糖質○○g、食物繊維○○g)という表記があると思います。

糖質は体内での主要なエネルギー源で、消化吸収のスピードが他の栄養素に比べて早いとされています。疲れを感じたときにチョコなど甘いものを食べるというかたも多いのではないでしょうか。糖質が持つ即効性のエネルギーを僕たちは感覚的に知っているのかも知れません。

食物繊維は糖質と近い存在でありながら、体内で消化されずに大腸まで届き排泄されるという特徴があります。人間が食物繊維を消化する酵素を持っていないためです。

糖質の欠乏は筋肉量の低下を招く恐れがあります。

糖質が不足すると、肝臓に蓄えてあるグリコーゲンを消費して不足を補おうとします。さらにグリコーゲンを使い果たすと、タンパク質や体脂肪を分解して糖質として働きだします。これを糖新生と言います。

この糖新生を繰り返すと、筋肉量の低下を招く恐れがあり、さらに体脂肪を分解する際に生成されるケトン体は、血液を酸性に傾ける原因にもなるので、特に糖尿病においては注意が必要です。

ヴィーガンが栄養失調にならないために

今回は栄養学の中でも基礎の基礎である三大栄養素について説明しました。

ヴィーガンの栄養学を調べるとタンパク質やビタミンB12など偏った栄養素だけにスポットが当てられることが多いような印象ですが、ここまでご紹介してきた通り、僕たちが普段の食事から得る全ての栄養素は体内で時に結合し、時に補完し合って吸収されていきます。

その観点からも、一番大切なのは偏った内容の食事を減らしていく、なくしていくことだと思います。できる限り多品目の食事をしっかりと食べていれば、栄養失調のリスクはほぼ無いと言えます。

例えばヴィーガンの間で特に槍玉に挙がる話題で「タンパク質」の問題がありますが、タンパク質を含む食材は肉や魚だけではないばかりか、豆類はもちろん、ご飯や野菜、果物にも含まれています。しかし単体でのタンパク質含有量を見るとやはり肉や魚に劣ります。

そこで大切なのが「多品目でバランスの良い食事」です。

高タンパクで知られる豆類ばかりをたくさん食べるのではなく、タンパク質を少量含む米や野菜、果物などを少しずつ食べ合わせることでタンパク質に限らず多くの栄養素を摂取することができ、結果として栄養失調のリスクを回避できるのです。

そして多品目の食事によって摂り過ぎてしまったエネルギーの余過剰分が脂肪として体内に蓄積される前に、「適度な運動」をして「栄養過剰」のリスクも回避することが大切です。

【まとめ】栄養失調にならないための過ごし方

僕はヴィーガンでもノンヴィーガンでも「健康」に関しては結局「バランスの良い食事と適度な運動」が健やかな身体を作るという基本的な考えに帰着すると思っています。

そのため、栄養についても様々な意見が飛び交っていますが、今回ご紹介したような基本をまずはしっかりとおさえて、食事に限らず日々の生活からなるべく偏りをなくしていっていただければなと思います。

 

参考書籍

決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典 足立香代子
わたしが最近弱っているのは毎日「なんとなく」食べているからかもしれない 小倉朋子

関連情報